NHK たべもの新世紀より
食の挑戦者

「ホクホクを極める 北国の男爵いも 〜北海道 今金町〜」

北海道産の男爵いも
その中でも一際高く評価されているのが今金町で作られている男爵いも。
含まれるデンプンの量が多く、ホクホクした食感と舌の上で自然にとける舌触りの良さが特徴です。
大規模な耕作に向かない丘陵地で冷涼な気候を活かし、
小規模産地ならではの、手間を惜しまない栽培が行われています。
品質にこだわる農家の取り組みが紹介されました。

9月、北海道南部の今金町(いまかねちょう)では、
特産の男爵いもの収穫が始まります。
丸く色白な今金産の男爵いもは、含まれるデンプンの量が多く、
ホクホクした食感と舌の上で自然にとける舌触りの良さが特徴です。

生産されるほとんどが首都圏近郊に出荷され、
秋いもとして東京の市場では40年以上に渡って最高値をつけています。

今金町では明治開拓以来、ジャガイモが作られてきました。
しかし、町の6割が丘陵地で土地が狭いため大規模生産には向きません。
病気や成育の悪い株を一本一本手で抜き取り、
デンプンの量を高めるため収穫をぎりぎりまで待つなど、
品質にこだわり、いもを作っています。

4代続くいも農家の仁木明さんの取り組みを描きます。



収穫をギリギリまで待ってホクホクさアップ
男爵いもは葉や茎が完全に枯れてしまうまでデンプンをイモに蓄えます。
収穫をギリギリまで待つことでデンプンが増え、ホクホクした味になります。
小規模な産地だからこそイモの生育に合わせた収穫が可能になります。
デンプンがたくさんつまっている証拠は加熱すると皮が剥けやすくなること。
中に詰まったデンプンが膨張することで皮が剥けやすくなるのです。


手間を惜しまない栽培
今金町は丘陵地が多く土地が狭いため大規模な耕作には不向きです。
そこでいもの品質にこだわり、単価が高くても売れるいも作りを目指しています。
7月、病気の株や育ちの悪い株を一つ一つ手作業で抜き取ります。
時間がかかる作業ですが、品質の良くないいもを、
葉や茎の形で見分けあらかじめ取り除くことができます。


品質管理を徹底
仁木さんたち生産者は毎年、直接東京の市場に出向き、
自分たちのいもがどう扱われているか、出荷された箱を開けて確かめています。
また市場から要望を聞き、消費者の求めるいも作りを進めています。
要望をもとに、今年、いもの内部にできる傷「中心空洞」を光センサーで検査する設備を整えました
出荷する全ての男爵いもに検査を行っている産地は全国でもほとんどありません。
市場や消費者の声を聞いて品質を高めることが、
産地としての信頼を確かなものにすると、今後も力を入れていくつもりです。


函館放送局 筒井亮太郎アナウンサー
『今金の男爵いもは日本一!』。今金町の皆さんの気持ちです。
長年に渡って、東京の市場で最高値を付けられてきた男爵いもは、町の誇り。
町のあらゆるところに、男爵いものキャラクター"だんしゃくん"の顔が躍っています。
今金の男爵いもは、でんぷんがたくさん含まれ、
"食べるとホクホク"で"じゃがいもの良い香り"がして、"口溶けの良い"のが特徴です。
じゃがいも農家歴25年の仁木明さんは、自分のことを『じゃがいも作り1年生』だと話します。
今年デンプンがたくさん入った芋が獲れたからと言って、
来年デンプンが高い芋が獲れるとは限らず、毎年毎年、試行錯誤を繰り返しながら、
最高級の男爵いもを作り続けているからです。
今金町の自慢、そして生産者の努力の結晶が"男爵いも"です。

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