頚椎後縦靭帯骨化症

  頚椎後縦靭帯骨化症

頸椎後縦靱帯骨化症とは、背骨を上下で繋いでいる靭帯が骨になってしまう病気です。 国内の一般外来を受診する成人の頚椎側面単純レ線写真からの調査では、骨化が見つかる頻度は1.5%~5.1%と報告されています。

    

 

 

◆ どんな症状なの?

  •   最初にでてくる症状として、首筋や肩甲骨周辺・指先の痛みやしびれがあります。さらに症状が進行すると、次第に痛みやしびれの範囲が拡がり、脚のしびれや感覚障害、足が思うように動かない等の運動障害、両手の細かい作業が困難となる手指の巧緻運動障害などが出現します。重症になると立ったり歩いたりすることが困難となったり、排尿や排便の障害が出現したり、一人での日常生活が困難になることもあります。

 

 

◆ どうして起こるの?

  •   単一の原因で生じる病気ではなく、複数の要因が関与して発病すると考えられています。この病気に関係するものとして、遺伝的素因、性ホルモンの異常、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満傾向、老化現象、全身的な骨化傾向、骨化部位における局所ストレス、またその部位の椎間板脱出などいろいろな要因が考えられていますが原因の特定には至っていません。特に家族内発症が多いことから遺伝子の関連が有力視されています。

    中年以降、特に50歳前後で発症することが多く、男女比では2:1と男性に多いことが知られています。

 

 

◆ 治療法

  •   外固定装具(頚椎カラー)の装着等を行います。また、首を後ろにそらせる姿勢は避ける必要があります。その他、薬物療法として消炎鎮痛剤、筋弛緩剤等の内服で自覚症状の軽減が得られることがあります。
     症状が重度の場合は手術治療をおこないます。手術方法は骨化の状態や部位に応じて様々な方法があります。頚椎では神経の圧迫を取るため骨化部位を摘出して、その部位を自分の骨等で固定する前方法と、骨化部位はそのままにして神経の入った脊柱管を拡げる後方法があります。一般的に後方法が選択されますが、骨化が大きい場合や頚椎の配列が不良な場合などにおいては前方法が選択されることもあります。

     整形外科を受診してください。経験を積んだ医師による正確な診断の元に、治療方針を決定して脊髄麻痺を予防するのが重要です。
     また、頸椎後縦靭帯骨化症は厚生労働省の定める難病に指定されています。医療費の公費負担が受けられることがありますので、医師に相談してみるとよいでしょう。

 



 

 

 

 

富士見ヶ丘鍼灸接骨院

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