手舟状骨偽関節
転んで手を強くついた
ただの捻挫だと思っていたのに、なかなか痛みが引かない・・・
それは、もしかしらた手舟状骨偽関節かもしれません
◆ どんな症状なの?
- 手首の親指側に押すと痛みがでます。
手首にある八つの小さな骨「手根骨(しゅこんこつ)」の一つに「舟状骨(しゅうじょうこつ)」と呼ばれる骨があります。外側が丸く出っ張り、内側が丸くくぼんだ船のような形をしています。
◆ どうして起こるの?
- 原因として多いのは、転倒して手をつくことです。10代の若い人から中年の働き盛りまで、広い年齢層で起こります。
ケガをした直後は、親指のつけ根に痛みと腫れが出ます。しかし、この症状は数日で消えてなくなることがあり、良くなったように思えることがあります。また、病院を受診しても、X線写真に舟状骨骨折が写らないこともあり、整形外科医でも見逃すことがあります。確実な診断のためには、CTやMRIを行う必要があります。
骨折部が癒合せずにいつまでも動いていると骨折の治りが悪くなります。受傷後すぐに診断されなかった場合、高い確率で偽関節の状態になります。
◆ 治療法
- 偽関節は、ギプス固定による保存治療では効果がなく、手術が必要となります
手術はネジで固定するだけでなく、骨の移植が必要になることもあります。移植する骨は、腰から採取することが多く、前腕の親指側の骨である橈骨(とうこつ)や、手の骨である中手骨(ちゅうしゅこつ)に細い動脈をつけたまま移植する「血管柄付(けっかんへいつ)き骨移植」を行うことがあります。骨移植後は、4~6週のギプス固定が必要です。